
日本の部屋を訪ねる vol.07 東京・賃貸
いつか返す部屋の灯り 東京の賃貸マンション
東京の賃貸マンションの三階です。借りている部屋なので、壁にも天井にも手を入れられません。それでも、この家の灯りは三つとも入れ替わっていました。もとから付いていた白い器具は、箱に入って押し入れにあるそうです。居間、寝室、机の順に見ていきます。

食卓の上だけは自分で選ぶ
黒い腕が六本、放射状に広がった器具が食卓の上に下がっています。腕の先には透明な丸い電球。ガラスがむき出しなので、光より先に電球そのものが目に入ります。食卓には湯呑みが二つと、麦茶の入ったガラスのピッチャー。椅子の背にカーディガンが掛かったままです。 夜に点けているのは、この一台だけだそうです。「いつか返す部屋なので、壁には何もしていません。天井のこれだけは、自分たちで選びました」。借りている部屋にも、ひとつくらい自分で選んだものがあっていいのだと思います。住んでいる人が立ったまま湯呑みを片づけていて、まだ寝る時間ではなさそうでした。

寝室は電球ひとつ
寝室の天井からは、コードが一本下りているだけです。その先に、丸い電球がひとつ。ガラスの中でフィラメントが四本、まっすぐ立っています。ベッドの脇の丸いスツールに、文庫本と眼鏡と目覚まし時計が置いてありました。 器具を足す話も出たそうですが、やめたと言っていました。「ここは電球ひとつで足りると思って」。明るさを落とせる電球なので、夜中に起きたときはいちばん暗くして点けるそうです。灯りがこれ一つきりというのは、日本の家では少ないほうだと思います。ただ、寝るための部屋にはこれくらいがちょうどいいのかもしれません。窓の外は、隣の家の窓にも灯りがついていました。

あとは置くだけで足りた
机だけを置いた小さな部屋です。窓ぎわに幅一メートルの机。その左端に、手のひらに載るくらいの黒いランプが置いてあります。台座からコードが一本、壁のコンセントへ下りていました。天板には便箋と万年筆、鉛筆を挿した木のコップ、湯気の立つマグカップ。 天井の灯りは点けないそうです。「上から全部明るくすると、手元だけ見たいときに落ち着かなくて」。夜はここで手紙を書くことが多いと言っていました。三つの部屋を見て思ったのは、この家の灯りがどれも、差しただけ、置いただけのものばかりだということです。返すことが決まっている部屋の選び方が、そのまま部屋の顔になっていました。
この光のつくり方
- 光の色
- 電球色。白い壁と木の床の部屋には、白い光より暖かい色のほうが落ち着きます。
- 電球
- ガラスがむき出しの器具は、電球そのものが見えます。フィラメントの形が部屋の飾りになるので、見た目まで選びます。
- 数
- 食卓の上は腕が六本の多灯シーリング、寝室は電球ひとつ。一部屋に一つで足りることがあります。足りないと感じたら、天井を強くする前に、低いところへ一つ置いてみます。
- もとの器具
- 交換して外した器具は箱ごと取っておきます。返すときに戻せると決まっていれば、選ぶときに迷いません。
天井に引掛シーリングがあれば、シーリングライトは差すだけで付きます。電球を替えるのも同じです。受け口を増やす、位置を動かすといった作業は、電気工事の店に頼んでください。
→ 賃貸で自分で替えてよい範囲と、退去時の決まり
この部屋の照明
NN-CEI-06
LEDシーリングライト 6灯 E26 調光調色
全光束 【6W】600lm/クリア電球【6W】810lm【9W】850lm…/色温度 電球色2700K~昼光色6500K調色可能/寸法 引掛シーリング式:640×152×390(mm)(高さ調節不可)ペ…/質量 約1.94kg(電球含まず)/口金 E26
価格 準備中
NN-DES-02
LEDフロアランプ E26 電球色 6W
全光束 810lm/消費電力 6W/色温度 電球色2700K/寸法 シェードサイズ :直径85×高さ145(mm)ベースサイズ:直径1…/質量 約798.6g
価格 準備中
編集後記
この号を作りながら、返すことが決まっている部屋のほうが、選び方がはっきりするのだと思いました。触れる範囲が決まっているぶん、迷う場所が少ない。わたしの部屋は好きにしていいはずなのに、天井を見上げて考え込む時間だけが長くなります。次は、中古のマンションを買って直した家です。同じ東京でも、天井に触れる範囲がまるで違います。 H.
文・写真=照明堂 編集部
発行=日本ネオン株式会社 2026年09月11日 掲載
この連載の家と人物は、照明の使い方を伝えるために構成したものです。掲載写真はイメージです。



