郊外に建てた平屋の勾配天井の下の食卓。濃い緑のガラスの波形の傘のペンダントが二灯、同じ高さに並ぶ。えんじ色のセーターの妻がマグカップを持って窓の外を見ている横顔、葡萄の器と開いた雑誌

日本の部屋を訪ねる vol.04 郊外・平屋

まっすぐには下ろせなかった 屋根なりの天井の平屋

屋根の形が、そのまま天井になっている家です。二階がないぶん、勾配の低いところと高いところが、ひとつの部屋の中に同居している。打ち合わせで最初に言われたのは、この天井にはそのままでは吊り下げが付きませんという一言だったそうです。九月の夕方、郊外に建てた平屋を訪ねました。

郊外に建てた平屋の勾配天井の下の食卓。濃い緑のガラスの波形の傘のペンダントが二灯、同じ高さに並ぶ。えんじ色のセーターの妻がマグカップを持って窓の外を見ている横顔、葡萄の器と開いた雑誌

低い側から二つ

食卓は、勾配の低いほうの端に寄せてあります。天井は床から二メートル三十ほど。ここだけは天井が近いので、吊り下げても頭にぶつからない高さに収まります。「部屋の真ん中は天井が高いので、あそこに下げると、紐みたいに長くなるんです」 下がっているのは、緑のガラスの傘が二つ。縁が波のようにひらいた平たい傘で、下からまるい電球がのぞいています。傘の差し渡しは二十センチほど、取り皿と同じくらいの大きさです。「色のついたガラスは迷いました。でも白い壁と木しかない家なので、一つくらい色があってもいいと思って」 斜めの天井から下ろすとき、器具はそのままだと天井と一緒に傾いてしまう。「まっすぐ下ろすための部品がいると言われました。そこは工事の人にお願いしています」

この照明 ▸ LED引掛け式ペンダントライト E26

同じ平屋の居間。勾配に沿って流した黒いレールに黒い円筒のスポットが三灯、本棚と床のラグと窓ぎわの椅子に向く。コーデュロイのシャツの夫が庭を眺める横顔、膝の本は閉じたまま、奥の食卓に緑の傘の灯り

斜めの天井に沿わせる

部屋の中ほどから奥へ、天井が上がっていきます。いちばん高いところで三メートル四十ほど。「ここに大きいものを一つ吊るす案もあったんですけど、そうすると、その真下に何も置けない部屋になってしまう」 選んだのは、勾配に沿って一本流したレールと、そこに付けた三つのスポットでした。一つは壁ぎわの本棚、一つは床のラグ、一つは庭に面した窓ぎわの椅子に向いています。「家具の場所が決まっていなかったので、後から向きを変えられるものにしました。実際、ソファは二回動かしています」 三つとも同じ黒です。天井が白いので、遠くから見ると線と点しか見えません。「天井を斜めにすると、上のほうがよく目に入るんです。だから器具は小さいものを選びました」

この照明 ▸ LEDライティングレール用スポットライト E11 ブラック

この照明 ▸ LEDダクトレール 1.5m

同じ平屋の寝る部屋。天井に取り皿ほどの白い小さな円盤が一灯だけ直付けされている。白いリネンのダブルベッド、低いチェストに水のグラスと開いた本、壁のフックにカーディガン、窓の外は郊外の夜

寝る部屋も同じ床の上

寝る部屋も居間も、同じ床の上にあります。二階がないので、夜中に誰かが起きて歩けば、その気配は家じゅうに伝わる。「廊下を明るくすると、戸の下から光が入るんです」 それで廊下には、取り皿ほどの小さな円盤を点のように置いただけにしたそうです。この寝室の天井にも、同じものが一つ。支度をするあいだ手元が見えれば足りる場所なので、これで困ったことはないと言います。戸を閉めてしまえば、廊下の側から光は入ってきません。 最後に、住んでみて変えればよかったところを聞きました。返ってきたのは灯りの数ではなく、高さの話でした。「高いほうの天井に付けた一つが、脚立で届かないんです。電球を替えるときは、いつも人を呼ぶことになる」。付ける前には気がつかなかったと言います。「図面だと、高さは数字でしか見えないので」

この照明 ▸ LED小型シーリングライト 調光調色 10W

この光のつくり方

斜めの天井
そのままでは器具がまっすぐ下がらない。傾いた面に付けるための部品を頼むか、天井に沿わせる形にするかの二択になる。
勾配に沿わせる
レールを勾配の向きに一本流すと、灯りが天井の線として収まる。家具の位置がまだ決まっていない部屋ほど効く。
後から向きを変える
レールに付けたスポットは、位置も向きも住んでから動かせる。模様替えのたびに器具を買い直さずに済む。
電球を交換するとき
高い側に付けた器具は、脚立が届かないことがある。付ける前に、電球を交換するのが誰なのかまで決めておく。

天井の受け口(引掛シーリング)に差す器具は工事がいりません。差して回すだけです。天井が斜めの場所に器具を付ける場合、レールを天井に直接留める場合、新しく配線を出す場合は、いずれも電気工事士の資格が要ります。工務店か内装業者、または電気工事店にお願いしてください。平屋の新築では、屋根の下がそのまま部屋になっている場所が多く、天井の中を通せる道が家によって違います。器具の位置は、天井を張ってしまう前に相談して決めておくと手戻りがありません。

この部屋の照明

LEDダクトレール 1.5m

NN-SPO-05

LEDダクトレール 1.5m

長さ 1.5m/質量 1.35kg/電源 AC125V 6A/材質 鉄、アルミ

ダクトレールのみプラグ*4個付き吊りフック2個付き黒

価格 準備中

LED小型シーリングライト 調光調色 10W

NN-CEI-02

LED小型シーリングライト 調光調色 10W

全光束 1100LM/消費電力 10W/色温度 調光調色:電球色3500K~昼光色6500K/演色性 ≧Ra80/寸法 約Φ145*55mm

電球色昼光色調光調色

価格 準備中

編集後記

帰ってから、自分の部屋の灯りを見上げて、どれが手で届く高さかを数えてみました。三つのうち一つは、椅子に乗らないと届かない。付けたときには、そんなことを一度も考えていませんでした。次は、二世帯の家を訪ねる予定です。同じ屋根の下に、明るさの好みが二つある家になるはずです。

文・写真=照明堂 編集部

発行=日本ネオン株式会社 2026年09月10日 掲載

この連載の家と人物は、照明の使い方を伝えるために構成したものです。掲載写真はイメージです。

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