
日本の部屋を訪ねる vol.06 都心・狭小の三階建て
手の届く高さまで下ろした 狭い土地の三階建て
土地の幅が四メートルないそうです。横に広げられないぶん、上に伸ばした三階建て。一階から三階までを細い吹き抜けが貫いていて、その脇を階段が上がっていきます。廊下と呼べる場所は、この家にはありません。階段がそのまま廊下でした。九月の夜、都心の狭い土地に建った家を訪ねました。

替えられる高さに下ろす
吹き抜けの上から、コードが一本下りてきています。先には金属のソケットと、裸の電球がひとつ。天井から一メートル半ほど。ちょうど二階の廊下に立った人の目の高さで止まっています。 この高さは、見た目で決めたのではないそうです。「最初の図面では、いちばん上に付いていたんです。それだと、どうやって替えるんですかと聞いて」 吹き抜けの天井は三階の高さにあります。脚立は入らない。足場を組めば替えられますが、そのたびに人を呼ぶことになる。「コードを長くしてもらって、二階から手が届くところまで下ろしました」。電球ひとつのために、図面を一度戻したことになります。「そこだけは譲りませんでした」

細長い部屋には、細長い器具
二階がまるごと台所と食卓と居間です。幅が狭いぶん、奥行きだけが長い。天井の真ん中に丸いものを一つ置くと、部屋の端が届かなくなるそうです。 付いているのは、まっすぐな金属のバーに、琥珀色のガラスの球が並んだもの。部屋の長い辺に沿わせてあります。「細長い部屋なので、細長いものを探しました。それだけの理由です」 台所は流しから火口まで一続きの、よくあるかたちです。手元は天板の上が明るければいい。「最初は台所の上にもう一台つける話だったんですけど、換気扇の中に灯りが入っているので、いらなかった」。天井の器具は、この家では一部屋に一台だけです。

置けないから挟んだ
三階は子どもの部屋です。机は窓の下いっぱいに作り付けてあって、天板の上に置けるものが限られています。 「スタンドを買ってきたんですけど、置くと教科書が広げられなくて」。返品はせずに一階で使っていて、代わりにここへ来たのが、天板の端に挟むタイプでした。木の輪を二本重ねた傘で、蛇腹の腕が自由に曲がります。 天井には何も付いていません。「夜はこれだけです。足りないときは、廊下の灯りをつけたままにしておくみたいで」。狭い家を回っていると、灯りを増やすかどうかより、置く場所があるかどうかで決まっている場面が何度も出てきました。
この光のつくり方
- 替える人のことを先に
- 吹き抜けや階段の上に付けると、脚立が届かない。図面の段階で相談して「これは誰がどうやって替えるのか」を聞いておく。
- コードの長さで直せる
- 高い天井から吊るす器具は、コードを長くすれば手の届く高さまで下ろせる。位置を変えるより安く済むことが多い。
- 細長い部屋
- 丸い器具を真ん中に一つ置くと端が届かない。部屋の長い辺に沿う細長い器具のほうが、同じ数で行き渡る。
- 置き場所から決める
- 机が狭いなら、置くものではなく挟むものにする。灯りを増やす前に、置く場所があるかを見る。
天井の受け口(引掛シーリング)に差す器具は工事がいりません。差して回すだけです。コードの長さを変える、吹き抜けの高い位置に器具を付ける、新しく配線を出す、といった作業は電気工事士の資格が要ります。建てた工務店か内装業者、または電気工事店にお願いしてください。吹き抜けや階段の上の器具は、足場がないと手が届かないことがあります。器具の高さは、取り付けの前に「あとで誰がどうやって電球を替えるか」まで決めておくと、住んでから困りません。
この部屋の照明
NN-PEN-07
LEDソケット照明 E26 引掛け式
寸法 引掛け式 ソケット H88mm×φ32mm/コード長さ約1m レー…/口金 E26/適合電球 60Wまで対応/材質 アルミニウム、PC
価格 準備中
NN-CEI-03
LEDシーリングライト 6灯 E17 調光調色
色温度 電球色2700K~昼光色6500K調色可能/寸法 約φ478*840mm/質量 約3.3kg(電球含まず)/口金 E17/適合電球 40W Max × 6Pcs
価格 準備中
NN-DES-05
LEDクリップライト 調光調色
全光束 【6W】600lm/【9W】850lm/色温度 電球色2700K~昼光色6500K調色可能/質量 約480g/適合電球 E26 口金 60wまで/電源 AC100V 50/60Hz
価格 準備中
編集後記
うちの売り場には、コードの長さを選べる器具がいくつかあります。長さは商品ページの隅に小さく書いてあるだけで、なぜそこを選ぶのかは書いていませんでした。この家を見て、長さは見た目の話ではなく、あとで自分が届くかどうかの話だと分かりました。次は、賃貸のまま灯りを変えた部屋を訪ねる予定です。
文・写真=照明堂 編集部
発行=日本ネオン株式会社 2026年09月10日 掲載
この連載の家と人物は、照明の使い方を伝えるために構成したものです。掲載写真はイメージです。



