スウェーデンの木の家の居間、冬の夕方。白い板壁と白く塗った床、天井に木目の傘が四つ並んだ横長のシーリングライト。灰色のリネンのソファに毛布、木の低いテーブルに蝋燭とコーヒー、窓の外は雪

海外の部屋を訪ねる vol.06 スウェーデン

夏と冬で別の家になる スウェーデンの木の家

スウェーデンの夏は、夜十時でもまだ明るいと言われます。冬はその逆で、昼でも薄暗い。同じ家が季節で別の顔になる場所では、灯りの役目も変わります。夏の朝食の部屋と、冬の居間と、冬の棚。三つ並べてみます。

スウェーデンの木の家のキッチン。朝食のカウンターの上に、黒い針金の花びらのような傘のペンダントライトを二灯。パンにバターを塗る横顔、白い板壁に落ちる傘の影、窓の外は赤い家

明るい朝にも灯りをつける

窓の外は緑で、赤く塗った納屋が見えます。夏のスウェーデンは朝から明るいので、この時間に灯りが要るわけではありません。それでも二つ点いています。 針金を花びらのように曲げた傘は、光をほとんど遮りません。そのかわり、白い板壁に影が落ちます。写真の右のほうに、花の形の影が写っています。明るくするための灯りではなく、影を作るための灯りです。 彼女はパンにバターを塗っています。カップが二つあるので、もう一人いるのだと思います。壁も床も白く塗った板張りで、夏の光がよく回ります。

この照明 ▸ LEDペンダントライト E17 電球色

スウェーデンの木の家の居間、冬の夕方。白い板壁と白く塗った床、天井に木目の傘が四つ並んだ横長のシーリングライト。灰色のリネンのソファに毛布、木の低いテーブルに蝋燭とコーヒー、窓の外は雪

低い部屋は横に広げる

同じ白い板の部屋ですが、こちらは冬です。窓の外は雪で、外はもう暗い。テーブルの上に蝋燭が一本立っています。 天井の器具は横に長く、四つの灯りが並んでいます。天井が低い部屋では、真下に吊るす器具より、天井に沿って横へ広げるほうが収まります。木目の傘は、白い板壁の中に紛れて目立ちません。 灰色のリネンのソファに毛布。北欧の冬の部屋の写真を見ると、たいてい毛布と蝋燭が写っています。暗くて寒い時間が長いぶん、部屋の中に小さな熱源をいくつも作るのだと思います。

この照明 ▸ LED4灯シーリングライト E26 調光調色 幅850×高さ244mm

スウェーデンのアパートの食器棚のある部屋。白い壁と木のオープン棚に白い器と保存瓶、天井の白いレールから黒い円筒のスポットライトを三灯、棚だけを照らしている。木の長いテーブルと椅子、窓の外は雪の積もった通りと街灯

器を照らすと部屋が片づく

白い壁と木の棚に、器と保存瓶が並んでいます。天井のレールから三つの灯りが、その棚だけを照らしています。 棚は部屋の中でいちばん物が多い場所なので、光を当てると散らかって見えそうですが、実際は逆でした。並んでいる物の輪郭がはっきりして、置き方が整って見えます。暗いままだと、ただの影の塊になります。 窓の外は雪の積もった通りで、街灯がついています。窓辺には蝋燭。夕方といっても、時計を見なければ何時か分かりません。

この照明 ▸ LEDライティングレール用スポットライト E11

この光のつくり方

天井が低いとき
真下に吊るすより、天井に沿って横へ広がる器具のほうが収まります。
棚
棚だけを照らすと、物が多くても整って見えます。暗いままだと影の塊になります。
影を使う
針金や透かしのある傘は、光より影が主役になります。明るさが足りている場所にも、置く理由があります。
冬の部屋
大きな一台より、小さな灯りをいくつか。蝋燭も灯りのうちに数えます。

シーリングライトとペンダントライトは、天井に引掛シーリングがあれば差すだけで付きます。ダクトレールも、引掛シーリングに付けるタイプなら工事はいりません。

この部屋の照明

LEDペンダントライト E17 電球色

NN-PEN-05

LEDペンダントライト E17 電球色

全光束 440LM/600LM/消費電力 60W MAX/色温度 電球色 2700K/電球色 3000K/寸法 本体 約φ180×H1280mm(長さ調節可能)/フランジ 約φ84×H105mm/質量 約0.4kg

ブラックホワイトゴールド器具のみ

価格 準備中

LED4灯シーリングライト E26 調光調色 幅850×高さ244mm

NN-CEI-15

LED4灯シーリングライト E26 調光調色 幅850×高さ244mm

全光束 【6W】600lm/【9W】850lm/【12W】1200lm/色温度 電球色2700K~昼光色6500K調色可能/寸法 幅850×高さ244mm/質量 (約)1.76kg/口金 E26

ナチュラルブラックグレー本体のみ(電球付属無し)

価格 準備中

編集後記

この号だけ、夏と冬の写真が混ざっています。同じ家でも季節でまるで違うので、一つの号にまとめるか迷いました。結局、違うまま並べたほうが分かりやすいと思ってこうしています。夏の写真の灯りは、明るくするためではなく影を作るために点いています。そういう使い方があると気づいたのが、この号でいちばんの収穫でした。次は、日本の家の話に戻る予定です。

文・写真=照明堂 編集部

発行=日本ネオン株式会社 2026年09月10日 掲載

この連載の家と人物は、照明の使い方を伝えるために構成したものです。掲載写真はイメージです。

ほかの部屋

パリのアパルトマンの居間の天井に、金色のアームが放射状に伸びた6灯のシーリングライト。緑のベルベットのソファで手紙を読む後ろ姿、大理石のマントルピースに一輪のダリア、窓の外は夕暮れの空とバルコニーの鉄柵

海外の部屋を訪ねる vol.01 パリ

夜が始まるまでの二時間 パリのアパルトマン

パリの夕食は八時ごろから始まる、とよく言われます。では日が暮れてから食卓に着くまでの二時間、家の人はどこにいるのか。居間、台所、屋根裏と順に見ていくと、灯りのつき方でだいたい見当がつきます。

ブルックリンのロフトのレンガの天井に、黒い6灯のシーリングライト。革のソファでノートを開く横顔、木箱に並んだレコード、鉄枠の大きな窓

海外の部屋を訪ねる vol.03 ブルックリン

工場だった建物に住む ブルックリンのロフト

ブルックリンには、工場や倉庫だった建物をそのまま住まいにしている部屋がたくさんあります。天井が高く、窓が大きく、壁はレンガのまま。日本の家とはいちばん条件の違う部屋ですが、灯りの置き方だけは持ち帰ることができます。

コペンハーゲンのアパートの白い天井に、金色の腕が左右に伸びた6灯のシーリングライト。灰色のソファで毛布をかけて本を読む後ろ姿、窓辺のモンステラ、木の低い棚

海外の部屋を訪ねる vol.02 コペンハーゲン

四時にはもう暗い コペンハーゲンのアパート

北欧の冬は、日の出ている時間が短くなります。コペンハーゲンでは十二月なら、午後四時を過ぎるともう暗い。一日のうち灯りをつけている時間のほうが長い街で、人は部屋の灯りをどこに置いているのか。居間、台所、玄関の順に見ていきます。

ロンドンのテラスハウスの深い緑の壁に、金色のアームと透明ガラスの丸い傘のウォールライト。革のひとり掛けの椅子で本を読む横顔、木の小さなテーブルにウイスキーのグラス

海外の部屋を訪ねる vol.04 ロンドン

壁の色が濃い家 ロンドンのテラスハウス

ロンドンの家は、壁の色が濃いことがあります。深い緑や紺に塗った部屋は写真で見ると素敵ですが、光をよく吸います。同じ器具をつけても、白い壁の部屋ほどには明るくなりません。それでもこの街の人が濃い色をやめないのは、暗さと引き換えに手に入るものがあるからだと思います。居間、台所、書斎と見ていきます。