ブルックリンのロフトのレンガの天井に、黒い6灯のシーリングライト。革のソファでノートを開く横顔、木箱に並んだレコード、鉄枠の大きな窓

海外の部屋を訪ねる vol.03 ブルックリン

工場だった建物に住む ブルックリンのロフト

ブルックリンには、工場や倉庫だった建物をそのまま住まいにしている部屋がたくさんあります。天井が高く、窓が大きく、壁はレンガのまま。日本の家とはいちばん条件の違う部屋ですが、灯りの置き方だけは持ち帰ることができます。

ブルックリンのロフトのレンガの天井に、黒い6灯のシーリングライト。革のソファでノートを開く横顔、木箱に並んだレコード、鉄枠の大きな窓

光を横へ流す

レンガをアーチに組んだ天井は、見上げるとかなり高いところにあります。ここに丸い灯りを一つ吊るしても、真下だけが明るくなって、部屋の隅は暗いまま残ります。横に長い器具で光を左右へ伸ばすと、ソファにもレコードの棚にも、向かいの壁にも届きます。 彼は日曜の午後、ノートに何か書いています。窓が大きいので昼は明るいのですが、それでも灯りはついたままです。工場だった建物は奥行きがあるので、窓から遠い場所ほど昼でも暗いのだと思います。

この照明 ▸ LEDシーリングライト 6灯 E26 調光調色 スチール(粉体塗装)、天然木

ブルックリンのロフトのキッチン。木の天板のアイランドの上に、真鍮のソケットと茶色い布巻きコードのペンダントライトを三灯。レンガの壁と鉄枠の窓、コーヒーを淹れる横顔、切ったレモン

向かいの顔が見える灯り

アイランドの上に何を吊るすかは、この手の部屋でいちばん迷うところだと思います。大きな傘を三つ並べると、向こう側に立っている人の顔が見えなくなります。傘のないソケットだけなら、視界をほとんど遮りません。 朝、コーヒーを淹れているあいだ、この家は静かです。鉄枠の窓の外は向かいの建物の壁で、朝でも光はそれほど入ってきません。フィラメントの電球が三つ並んでいるのは、明るくするためというより、その時間を区切るためのように見えます。

この照明 ▸ LEDソケット照明 E26 ソケットH88×φ38mm

ブルックリンのロフトの窓ぎわの机。赤いレンガの壁と黒い鉄枠の窓、無垢の木の机にクリップ式のスポットライトを一台。閉じたノートパソコンと革の手帳、マグカップ、椅子の背にかけた革のジャケット

夜は机の上だけ

窓ぎわに置いた机の上だけが明るく、部屋の奥は暗いままです。ノートパソコンは閉じてあって、開いているのは革の手帳のほうです。 天井の高い部屋を夜に全部明るくしようとすると、かなりの数の灯りが要ります。そうするより、使っている場所だけを照らして、あとは暗いままにしておくほうがこの部屋には合っています。椅子の背に上着がかけたままなのは、帰ってきたばかりだからでしょう。

この照明 ▸ LEDデスクライト 電球色 7W

この光のつくり方

天井が高いとき
一台で真下を照らすより、横に長い多灯の器具か、レールで数を分けて光を横へ伸ばします。
アイランドの上
傘の大きい器具を並べると、向かいに立つ人の顔が隠れます。座って話す場所なら、傘の小さいものか、傘のないソケットを。
夜
広い部屋を全部明るくしようとしない。使っている場所だけ照らして、あとは暗いままにするほうが落ち着きます。
光の色
電球色。レンガも木も、暖かい色の光のほうが色が濃く見えます。

天井に引掛シーリングがあれば、シーリングライトもペンダントも差すだけで付きます。クリップライトはコンセントに差すだけです。レールを天井に直付けする場合は、電気工事の店に頼んでください。

この部屋の照明

LEDデスクライト 電球色 7W

NN-DES-06

LEDデスクライト 電球色 7W

全光束 630LM/消費電力 7W(50W相当)/色温度 電球色 3000K(LED交換不可)/質量 500g/電源 AC100V 50/60Hz

電球色3000K

価格 準備中

編集後記

三つの部屋を並べてみて気づいたのは、どれも部屋全体を明るくしていないことでした。天井が高い部屋ほど、全部を明るくするのは無理があります。うちのカタログにも横に長い器具がいくつかありますが、これまでは「広い部屋に」としか書いていませんでした。正しくは「天井が高い部屋に」かもしれません。書き直します。次はロンドンの予定です。壁の色が濃い家の灯りを見ます。

文・写真=照明堂 編集部

発行=日本ネオン株式会社 2026年09月10日 掲載

この連載の家と人物は、照明の使い方を伝えるために構成したものです。掲載写真はイメージです。

ほかの部屋

パリのアパルトマンの居間の天井に、金色のアームが放射状に伸びた6灯のシーリングライト。緑のベルベットのソファで手紙を読む後ろ姿、大理石のマントルピースに一輪のダリア、窓の外は夕暮れの空とバルコニーの鉄柵

海外の部屋を訪ねる vol.01 パリ

夜が始まるまでの二時間 パリのアパルトマン

パリの夕食は八時ごろから始まる、とよく言われます。では日が暮れてから食卓に着くまでの二時間、家の人はどこにいるのか。居間、台所、屋根裏と順に見ていくと、灯りのつき方でだいたい見当がつきます。

コペンハーゲンのアパートの白い天井に、金色の腕が左右に伸びた6灯のシーリングライト。灰色のソファで毛布をかけて本を読む後ろ姿、窓辺のモンステラ、木の低い棚

海外の部屋を訪ねる vol.02 コペンハーゲン

四時にはもう暗い コペンハーゲンのアパート

北欧の冬は、日の出ている時間が短くなります。コペンハーゲンでは十二月なら、午後四時を過ぎるともう暗い。一日のうち灯りをつけている時間のほうが長い街で、人は部屋の灯りをどこに置いているのか。居間、台所、玄関の順に見ていきます。

ロンドンのテラスハウスの深い緑の壁に、金色のアームと透明ガラスの丸い傘のウォールライト。革のひとり掛けの椅子で本を読む横顔、木の小さなテーブルにウイスキーのグラス

海外の部屋を訪ねる vol.04 ロンドン

壁の色が濃い家 ロンドンのテラスハウス

ロンドンの家は、壁の色が濃いことがあります。深い緑や紺に塗った部屋は写真で見ると素敵ですが、光をよく吸います。同じ器具をつけても、白い壁の部屋ほどには明るくなりません。それでもこの街の人が濃い色をやめないのは、暗さと引き換えに手に入るものがあるからだと思います。居間、台所、書斎と見ていきます。

地中海の白い漆喰の家のリビング。リネンのソファの横に、黒い針金の籠のライトが三つ付いたフロアライト。無花果をつまむ横顔、テラコッタの床、窓の外は夜の海

海外の部屋を訪ねる vol.05 地中海

白い壁は光を返す 地中海の家

ロンドンの家が光を吸うなら、地中海の家は光を返します。厚い漆喰の壁は白く、床はテラコッタ。同じ器具でも、こちらのほうがずっと明るく感じます。灯りの数を増やさなくていいぶん、どこに置くかだけを考えればよくなります。居間、台所、寝室と見ていきます。