MAGAZINE

部屋は、あかりで季節を持つ。

地中海の白い漆喰の家のリビング。リネンのソファの横に、黒い針金の籠のライトが三つ付いたフロアライト。無花果をつまむ横顔、テラコッタの床、窓の外は夜の海

vol.06 海外の部屋のリビング

その部屋の国籍は、天井で決まる。

海外の部屋の写真を見ていると、家具より先に灯りが違うことに気づく。天井いっぱいの白い一灯ではなく、六つの電球が斜めに散っていたり、壁の一灯だけで夜を過ごしていたり。真似できないのは間取りと窓の大きさで、真似できるのは灯りのほうだ。今月はパリからブルックリン、コペンハーゲン、地中海、ロンドンまで。六つのリビングを回る。

小さな花屋の作業台の上に、透明なひだのあるガラスの傘のペンダントライトを三灯。ダリアとユーカリの束、麻紐、ハサミ、花を束ねる手元

vol.05 店のあかり

店の灯りは、商品のためにある。

いい店は、入った瞬間に何を売っているかがわかる。それは看板じゃなくて、灯りの向きで決まる。花には花の、服には服の、酒には酒の光がある。今月は、店のあかり。雑貨店からギャラリー、美容室、バー、カフェ、アパレルまで。

寝室の枕元の壁に、真鍮の曲がったアームに透明ガラスの丸い傘のブラケットライト。白いリネンのベッドで本を読む手元と眼鏡

vol.04 寝室と書斎

手元に、ひとつ。眠る前と、働く夜の灯り。

寝室の灯りは、部屋を照らすためのものじゃない。枕元の本と、手元だけを照らせばいい。書斎も同じで、机の上の一冊分の光があれば仕事はできる。今月は、手元の灯り。壁に付けるもの、机に置くもの、棚に挟むもの。

夜のリビング。グレーのソファの横に、黒い棒状のライン型フロアライトを一本。ソファで本を読む後ろ姿、ローテーブルにワイングラス

vol.03 リビングのあかり

リビングは、天井を消してから始まる。

夕食が終わって、テレビを消して、天井の灯りも消す。残るのはソファの横の一本と、窓の外の街の灯りだけ。リビングの夜は、そこからが本番だ。今月は、天井の灯りと床の灯りの使い分け。昼と夜で、部屋をふたつ持つ話。

玄関の白い壁に黒い皿型の傘のブラケットライトを一灯。木のベンチと脱いだ革靴、モルタルの土間

vol.02 通り道のあかり

玄関、廊下、階段。家の中の道に、灯りを置く。

帰ってきて最初に見るのは、玄関の壁だ。天井の白い灯りを全部つける前に、壁の一灯だけを点ける。靴を脱ぐ間の、三十秒のあかり。今月は、玄関から廊下、階段、洗面所まで。家の中の通り道に置く小さな灯りの話。

オークの丸テーブルの上に、木の傘と透明ガラスの円錐のペンダントライトを二灯。夕暮れのダイニングに二人分のグラスと梨

vol.01 食卓のあかり

夜が長くなる季節。食卓にだけ、灯りを落とす。

九月。日が落ちるのが、少し早くなった。仕事から帰って窓を閉め、天井の明かりをつける前に、食卓の上のペンダントだけを点ける。それだけで、部屋の中に小さな夜ができる。今月の特集は、食卓のあかり。ダイニングの照明を、天井から六十センチ下げてみる話。